『花はふしぎ なぜ自然界に青いバラは存在しないのか?』

岩科司 著
講談社ブルーバックス
ISBN978-4-06-257607-9
花の色素等、花に関していくつかのことが書かれた本。
花の生化学的なことが書かれたもの、といえば書かれたものだが、それよりは寧ろ、花に関する雑学読み物、と考えた方が良い本か。
雑学読み物としてはそれなりのものだろうから、雑学読み物で良ければ、読んでみても、という本だが、花の生化学的なことを期待するには、必ずしもそれ程充実した内容があるのではないと思う(書かれていないというよりは、多分まだ分かっていないという面が大きいのだろうが)。
だから、内容的に特別のものはないが、読み物としては一応それなりの読み物、という本。
雑学読み物で良ければ、読んでみても、という本だろう。
以下メモ。
・ヒマワリやセイヨウタンポポの花の黄色い色はカロテノイド(炭素40個からなる基本骨格を持つ化合物の総称)によっているが、カロテノイドは、油溶性なので色素体という細胞内器官に存在し、また光合成色素としての働きもあるために、突然変異によって欠落することが殆どなく、これらの花を黄色以外の鮮やかな色にするのは難しい。
フクジュソウやチューリップの原種等は、落葉樹林の中で、落葉樹の葉がまだ伸びない早春に芽を出し、花を咲かせる。