『近くて遠い中国語 日本人のカンちがい』

阿辻哲次
中公新書
ISBN978-4-12-101880-9
中国語に関して書かれたエッセイ。
一応、テーマというか、モチーフとしては、中国語も外国語なのだから、漢字の意味を追っていけば理解できる、などとは考えない方が良い、ということが主張されたものではあるが、全体的には、中国語の先生が書いたエッセイ、と考えておけばそれで大体間違いのない本か。
特にどうということもないエッセイ。
あんまり対象(中国語)に対する批判精神が感じられないので、個人的には別に薦めはしないが(対象以外のものに対する批判精神はある)、中国語に関するエッセイが読んでみたいのであれば、読んでみても良いのではないだろうか。
興味があれば、読んでみても、という本だろう。
以下メモ。
・中国語でも一つの漢字で意味が異なると発音が異なる場合がある。音楽の楽と楽しむという意味の楽では違う発音になる。
・日本でも、銀行とか、西洋のものを取り扱う業者の会社名に洋行と付くように、行には職業、業種という意味があり、中国語で改行とは、転業するという意味である。
・昔イギリスでは、5ポイントの活字をパール、7号の活字をルビーと呼んでおり、その7号活字を、5号活字にふりがなを付けるのに使ったことから、ルビという言葉ができたらしい。