『がんのウソと真実 医者が言いたくて、言えなかったこと』

小野寺時夫 著
中公新書ラクレ
ISBN978-4-12-150242-1
ホスピス科の医者が書いたエッセイ。
ガンについて書かれている、といえば書かれているものだが、基本的には、エッセイと捉えておくべき本だと思う。
エッセイなので、合う人には合うし、合わない人には合わないだろう、という本。余り、ガンに関してこれこれこういうことが書かれているから、といって手に取るような本ではないだろう。
エッセイなので、自分に合うと思えば、読んでみても、というところ。この著者の他の本が面白かったので買った私としては、悪くない本だった。
欠点としては、高度進行ガンには手術適応でないケースが多いとか、ホスピス科の宣伝みたいな面があること、です・ます体で語尾を整えるのが難しいことは分かるが、語尾がおかしい部分があること。後、「チンパンジーから進化を遂げたいろいろの人種」とかの妙な記述も、なくはない。1頁13行でスカスカな印象はあるが、老眼対策に大きな活字にする、というのなら分かるものの、行間をあけるだけで効果があるものなのだろうか。
一方で、良い点だが、エッセイなだけに、具体的に良い点というのは挙げ難い。基本的にはそれなりのエッセイで、私は好きだし、合う人には合うだろう、というところか。
悪くないエッセイで、合う人には合うだろうから、興味があるならば、読んでみても、という本だろう。