『カラヤンとフルトヴェングラー』

中川右介
幻冬舎新書
ISBN978-4-344-98021-1
フルトヴェングラーからカラヤンへの世代交代劇を描いた読み物。
1934年から1955年まで、フルトヴェングラーカラヤン、そして戦後の一時期ベルリン・フィルを指揮したチェリビダッケの動向を、それぞれクロスさせながら追った本。
全体的に、講釈師見てきたような、というところが多分にある、歴史書というより歴史小説に近い感じの読み物で、歴史書の方が好きな私としては好きになれない面もあるのだが、歴史小説で良ければ、読んでみても良い本ではないだろうか。
興味があるのなら、それなりには面白い本だと思う。
歴史小説だと思えばそれなりの読み物ではあるだろうから、それでも良ければ、というところだろう。
以下メモ。
ブルーノ・ワルターやエーリヒ・クライバー等、早い時期にドイツから亡命した人は、戦後のドイツでは戦前程の人気は出なかった。
・戦後に、(西)ドイツの首相が初めてバイロイト音楽祭に出席したのは、2003年に小泉首相を出迎えた時である。