専門家的エッセイ

『寿命遺伝子 なぜ老いるのか 何が長寿を導くのか』
森望 著
講談社ブルーバックス
ISBN978-4-06-522912-5
寿命に関連するいくつかの遺伝子について、その研究史などが書かれた本。
それらについての紹介や総合的な解説というわけではなくて、研究史におけるエピソードなどを記した読み物的な本で、エッセイとして楽しめる人ならば、という本か。そういう人なら読んでみても、というもの。
解説ではないので網羅的ではないし、何も知らない人が読み物として読むほど簡単でもないし、個人的には帯に短したすきに長しという印象。
ある程度の知識があって、こういう研究が行われてきましたよでいいという人向け。
あまり広い読者層にアプローチする本ではないと思う。
サブタイトル的な意味での結論の方向性としては、活発に生きれば太く短くなるので、細く長くが長生きのコツ、というところだろうか。
専門家的なエッセイで良い、という人向き。
そうしたもので良ければ、という本だろう。