『ビスマルク ドイツ帝国を築いた政治外交術』

飯田洋介 著
中公新書
ISBN978-4-12-102304-9
ビスマルクの評伝。
あまり特徴があるとか優れているとかはないが、新書レベルでは標準的な評伝だと思う。それでよければ、という本。
ただし、別に入門向きではないので、ユンカーって何、プロイセンって何、という人には難しいかもしれない。
あと欠点としては、ビスマルクはその時々の事件に巧く対処して成功した、というのが著者の考えらしいが、どのように巧く対処したのかはあまり分からなかった。
それでも、新書レベルの評伝としてはこんなものか。
それでよければ、という本だろう。

以下メモ。
ビスマルクは、ユンカーの伝統的な価値観を重視する人間だったが、その目的のために議会、新聞などの近代的な手段を利用することをいとわなかった。
ビスマルクは当初北ドイツにおけるプロイセンの覇権を獲得するためにナショナリズムを利用しようとしたが、そのためにドイツ統一へと進まざるをえなくなった。