『ようこそ「多変量解析」クラブへ 何をどう計算するのか』

小野田博一 著
講談社ブルーバックス
ISBN978-4-06-257890-5
多変量解析がどういう計算を行っているか、書かれた本。
実際にやっているところを見せる工場見学みたいな本で、その細かい部分については実はよく分からなかったりするが、それでよければ、という本か。
多次元尺度構成法はデータの行列を内積の行列に変換して固有ベクトルを求める、とか、データの行列から最小二乗法で仮定する方程式の係数を求めるのが回帰分析だとか、そういったことが書かれている。
もう少し基礎の部分から説明すれば対象読者層がぐっと広がるような気がするか、元々数学に興味のある人しか買わないだろうから、こんなものなのかもしれない。
多変量解析を必要とする人ならその程度は学校の授業等でやっているでしょ、という判断もありうる。
これはこれでそうしたものという本か。
どういう計算を行っているかを工場見学のように見せるだけだが、それで悪いというわけではない。
そうしたものでよければ、という本だろう。