『人はなぜ簡単に騙されるのか』

ゆうきとも 著
新潮新書
ISBN4-10-610196-3
騙しのプロである手品師が騙しについて書いたエッセイ。
部分部分には面白い箇所もあるが、第三章とか第四章とか全体として何が言いたかったのか訳が分からないところもあって、一冊としては結構微妙な出来のエッセイか。
エッセイなので合う人には合うかもしれないし、読み捨てるくらいのつもりならこんなもので十分かもしれないが、余り良い本だとはいえないと思う。
それなりに面白いが、積極的には薦めかねるものがある。新潮新書らしく軽く読み捨てられる一冊なので、それでも良ければ、というところだろう。
以下メモ。
・タバコをコインに通すマジックは、余りにも現実にできなさそうなのが弱点である。穴あきコインを使うと、少し自然になる。
・掌に置いたコインを、突然消すのと、一旦握った後で手を開くと消えているのとでは、観客に想像力が働く分、後者の方が反応が良い。