通史

『荘園 墾田永年私財法から応仁の乱まで』
伊藤俊一 著
中公新書
ISBN978-4-12-102662-0
日本における荘園の歴史をまとめた本。
新書サイズのコンパクトなまとめで、そういうので良ければ、という本か。
初、中級者が最初にとっかかりとして読むような感じのもの。
そういうものとしては悪くないだろう。
その分、お勉強感はあり、面白いかっつうと、そこまででもない印象は受けた。
通史だしある程度はしょうがない。
通史的なまとめで良ければ、という本だろう。

以下メモ
・荘園における現地管理人の任命権は荘園所有者にあり、源頼朝が敗者からその職を奪って勝者に与えたことは画期的だった。
・宋銭が普及すると、荘園の年貢を京にいる所有者に銭貨で払うことが多くなった。
銭貨での支払いは、コメとか布とかの定型でない、土地土地にあった作物を作ることにつながったが、京の所有者と現地とのつながりを薄めることにもなった。