『なぜ人は砂漠で溺死するのか? 死体の行動分析学』

高木徹也 著
メディアファクトリー新書
ISBN978-4-8401-3495-8
人の死に様に関する読み物。
全体的に、法医学者が書いたやややわらかめのエッセイ、であり、エッセイとして悪いものではないが、それ以上のものでもない、という本か。
そうしたものなので、それで良ければ読んでみても、という本。法医学について、というよりは、様々な人の異常死の原因について書かれた本、と考えた方が良い。
エッセイとしては、一通りまとまっていて、すっきり読めると思う。あとがきにライターへの謝辞が書いてある本は珍しい。
読み捨てる以上のものではないと思うが、それ以上のものがないのは、良くいえば、読み物としての限界か。読み物としては、こんなものだろう。
興味があるならば、読んでみても良い本だと思う。

以下メモ。
・死亡診断書には、直接の死因と、その原因となった疾病等を順に書くようになっている。
・冠状動脈は三本あり、三本のどれに詰まるかによって心筋梗塞の予後が異なる。
・首吊りでも、きっちり宙に浮いて首から脳に至る四本の動脈が瞬時に閉じれば、即死してきれいな状態の死体になる。