専門家向けエッセイ

藤原定家 『明月記』の世界』
村井康彦 著
岩波新書
ISBN978-4-00-431851-4
『明月記』の記述から藤原定家が置かれた環境や境遇を明らかにしようとした本。
特に主題やテーマがあるわけでもなく、伝記でもなく、総じていえば藤原定家に関するエッセイといった本だが、歴史上の人物としての定家が主体で歌人としての定家が描かれるのでもなく。日本中世史の研究家が藤原定家に関するエッセイとして読むなら面白いのかもしれない、というところ。それで良ければ、という本か。
さすがに、岩波新書とはいえそこまでの読者層の厚みはないと思うけどなあ。
そうでもないのだろうか。
エッセイだから専門書でなく新書で出すんだと言われればそうかもしれないが、もう少しなんとかならなかったのだろうか。
日本中世史の研究家であれば、というところ。
それで良ければ、という本だろう。

以下メモ
藤原定家は、父俊成の縁で九条家の家司となったが、兼実が政変で失脚したため出世の道が断たれ、後鳥羽上皇に近づいたら承久の乱が。