甲陽軍鑑は再評価される傾向にはあるが

『戦う大名行列
乃至政彦 著
ベスト新書
ISBN978-4-584-12575-5
上杉謙信など、戦国大名の軍隊隊列について書かれた本。
軍記ものに依拠しすぎているきらいはあると思うが、それでよければ、という本か。話としては面白かった。
内容的には、先頭から鉄砲、弓、槍、騎兵と並ぶ戦闘陣列は、村上義清から謙信へと受け継がれて大成されたもので、謙信と戦った武田や北条、さらにはその遺臣たちの手によって広まり、江戸時代の大名行列の形になった、というところ。
全体的に、論証や検証については、まだまだこれからという感じではあるが。
戦闘の実際はある程度軍記ものに頼らざるをえない部分もあるのだろうが、結論がひっくり返る可能性はまだまだ大きそうだ。
そうしたものでよければ、という本だろう。