ほぼ教科書

『はじめての解析学 微分積分から量子力学まで』
原岡喜重 著
講談社ブルーバックス
ISBN978-4-06-513853-3
解析学の初心者向け教科書。
新書一冊に収まっているし数学史を踏まえた構成にもなっているので教科書というより読み物なのだろうが、私の立ち位置くらいからでは教科書との違いはほぼ分からなかった。数学好きか教科書でよければ、という本か。
数学知識のある人には教科書との違いが分かるのかもしれない。
あまり違いがないとすると、教科書のほうが理解しやすいかもしれないが。
なんというか、複素平面から説明されているのは、しょうがないし復習にもなるのだろうが、複素平面を知らない人が理解できるような内容ではないよね、という。
複素平面固有ベクトルヒルベルト空間もエルミート行列も大体同じような熱量でしか説明されていないので、メリハリがない。
複素平面を知らないまま本書を読んで理解できる天才向け、ということなんだろうか。
そうしたもので良ければ、という本だろう。