『「環境」都市の真実 江戸の空になぜ鶴は飛んでいたのか』

根崎光男 著
講談社+α新書
ISBN978-4-06-272542-2
江戸の都市環境に関して書かれた本。
江戸を理想的な環境都市と捉える俗説に対する批判、というモチーフがあることは確かだが、最終章がそれに余り相応しくないこともあって、やや雑多な江戸読み物、と考えておいた方が良い本だと思う。そうしたもので良ければ、読んでみても、というもの。
江戸読み物としては、別に普通のありがちな本か。
日本語がややぎこちない気もするが、そう特別ではないかもしれない。
後は、普通の江戸読み物。それで良ければ、読んでみても、という本だろう。

以下メモ。
・江戸の往来には肥桶も見られたが、それに関して特に臭いとするような記録は余り残っておらず、日常的なにおいだったのだろう。
(明治に入ると、不潔だから桶に蓋をしろという命令が出されている)
・鶴は、鶴は千年といわれるような瑞鳥であり、将軍が鷹狩で捕獲し、天皇や諸大名に贈答、饗応する格好の動物だったため、江戸近辺では手厚い保護の対象だった。