『中東イスラーム民族史 競合するアラブ、イラン、トルコ』

宮田律 著
中公新書
ISBN4-12-101858-3
アラブ、イラン、トルコの3民族を軸に、中近東の歴史を追った本。
基本的に、かなりだらだらと、中近東の歴史をゆるーく述べた本で、どのくらい緩いかというと、世界史の教科書か参考書を読んでいるような、という感じだろうか。
教科書で良ければこれもありなのだろうが、教科書だけに、特に面白いということは、多分ないと思う。
これを読み物と看做せる人には、それなりの読み物であるのだろうし、そういう本だといえばそういう本なので、それで良ければ読んでみても、というところだが、特別な内容はないだろう。
以下メモ。
・現在イスラム世界では、政治腐敗や経済不振からイスラム主義が台頭してきているが、イスラム共和国となったイランでもこれらの問題を結局克服できずにいる。
アッバース朝の力が弱まってイラン系の地元王朝が勃興すると、イラン文学も復興するようになり、中でも古代ペルシャの栄光を回顧した『シャー・ナーメ』は、広く浸透して、新ペルシャ語の基礎ともなった。