『「資本」論 取引する身体/取引される身体』

稲葉振一郎
ちくま新書
ISBN4-480-06264-5
マルクス主義の再構築を目指したような感じの思弁的な社会思想論。
208ページまでは真面目に読んだ。それ以降は、殆どよく分からなかった。というよりも、分かろうとする気力が失せた、というところか。
好意的に解釈すれば、哲学者が目の前にあるリンゴを見て、そこに本当にリンゴがあるか疑っている、というような感じの本なのだろう。一般的にいえば、哲学者が何を疑っているのか全然意味が分からない、というのが大方の人のありような訳で、つまり私も本書の意味はさっぱり分からなかったが。
全体的に、マルクス主義の再構築を目指しているような本なので、マルクス主義とかが分かる人向け。というか、マルクス主義者に対して、マルクス主義は負けたのだからここまでは出ておいでよ、といっているような本ではないだろうか。
マルクス主義が分からなかった私には、やっぱり分からなかった。