『はじめての政治哲学 「正しさ」をめぐる23の問い』

小川仁志
講談社現代新書
ISBN978-4-06-288084-8
政治哲学に関する簡略な教科書。
あまりにも簡略すぎてほとんどよく分からないと思うが、こんなような議論がある、ということを知る程度でよければ、こんなもの、とはいいうるのだろうか。
初心者相手とはいえ、それでいいのだろうか、と私は思うが。
後、教科書とはいいながら、結局著者の意見を押し付けているだけ、というきらいはある。冒頭は何故か功利主義に対するけなしからはじまっているし。著者の意見から完全に自由であるような本は存在しないだろうが、中立的な立場を取ろうとする姿勢さえ見えないのは、初心者向けの網羅的な紹介を行う教科書として、どうなんだろうか。
それでよければ一冊の本ではあるだろうが、特にというものではないだろう。
別に薦めるような本ではないと思う。