『見えないアメリカ 保守とリベラルのあいだ』

渡辺将人 著
講談社現代新書
ISBN978-4-06-287949-1
アメリカの政治土壌に関していくつかのことが書かれた本。
大体のところは、別に普通にありそうなアメリカ本だが、私としてはいくつか興味深い指摘もあったので、良い本だとしておきたい。興味があれば、読んでみても良い本。
アメリカで選挙運動に携わったことのある著者が、アメリカの政治的土壌のいくつかの断面を素描したもので、全体的には、アメリカについて書かれた割と普通にありそうな本だと考えておけば良いと思う。
読み物として悪いということはないし、いくつか興味深い指摘もあったので、悪くない本ではないだろうか。
興味があるならば、読んでみても良い本だろう。
以下メモ。
アメリカでは、ポピュリズムはワシントン政治に対する民衆の反逆をしばしば意味し、肯定的な意味でも使われる。現在では、多くの政治家が選挙の時だけでもポピュリズム性を主張しないと当選も難しい。
アメリカにはハンティング文化が根強く存在し、銃を規制するとハンティングも規制を受けかねないとの懸念から、民主党内でも銃規制に本腰を入れられない。
・保守とリベラルの論客が対峙するアメリカの政治テレビ番組は、様々な問題に対しての保守とリベラルのありようを規定し、アメリカ人の政治的態度を二大政党制の下へと収斂させていく舞台となっている。
アメリカの政治ブロガーには、元々地方政治の内部にいて、党員集会等の知識が中央の記者等よりも豊富な人もいる。