『銃を持つ民主主義 「アメリカという国」のなりたち』

松尾文夫 著
小学館文庫
ISBN978-4-09-408257-9
アメリカの好戦的な面が書かれた本。
基本的に、感傷的で、論理的ではないので、私は好きになれる本ではなかった。
銃を持てることと好戦的であることとは、必ずしも同一ではないし、メイフラワー誓約からマニフェスト・デスティニーへの繋がりも、余り巧く説明できていないと思う。その繋がりは、多分もっと宗教的なものではないだろうか。本書はアメリカの宗教的な面には触れていないし、原著が書かれた当時はともかく今となってはネオコンを過大に捉え過ぎのようにも思える。
論理的でなく感傷的なものが好きという人ならば良いのかもしれないが、私としては、特に薦める程の本ではなかった。
以下メモ。
・銃規制派は、憲法修正第二条は州兵が武器を保持しても良いとする州の権利をうたったもので、個人に武器の所持を認める人民の権利をうたったものではない、と主張する。
ベトナムから撤退して、後をベトナム人に任せたベトナム戦争からの出口と、イラクイラク人の手に託そうとするイラク戦争の出口は似たものになるかもしれない。