歴史的に

資本主義とミドルクラスと国民国家とは手を携えてきたのであり、資本主義が国民国家の枠を越えてグローバルなものになった現在、ミドルクラスはその価値を失ったのだろうか。
しかし、資本の増殖のためには資本によって作られた製品を消費する人々が必要であり、従って、ワーキングプアばかりになっては、製品が売れなくなって利潤率が低下し。資本主義はやっていけなくなるのではないだろうか。
グローバル資本主義が、単に資本のグローバルな移動によって利潤率を増大させているだけならば、それは、早晩行き詰まるのではないか。
(例えば、人件費の安い中国に資本を投下して、作った製品を高く売れる日本で売れば、その資本は大きな利潤を上げることができるだろうが、それは単に日本と中国の経済格差を利用したさや取りを行っている訳であり、やがては中国の人件費が上がり日本の所得が下がることで格差がなくなって、利潤率が低下するだろう)
それとも、グローバル資本主義における資本は、その資本によって作られた製品の販売によらずに、(金融工学等によって)自己増殖ができるものになったのだろうか。
(あるいは、ロボットが労働を行うようになり、人々は、労働賃金ではなく、所有資産の利潤で生きていくようになるのだろうか)