『旗本夫人が見た江戸のたそがれ 井関隆子のエスプリ日記』

深沢秋男 著
文春新書
ISBN978-4-16-660606-1
ある武家の女性の日記を紹介した本。
日記の記述から、天保期の江戸の世相や政治動向等を紹介した本で、良くいえば、そうしたもので良ければ読んでみても、という本、なのかもしれないが、私としては、著者が日記や日記を書いた井関隆子を持ち上げるのがうざい本だった。
日記全部を読めばまた違うのかもしれないが(どうも必ずしもそうは思えないような気もするが)、一部の紹介だけで、これこれこのように素晴らしい、と持ち上げられても、私にはよく分からなかったし、仮に素晴らしいのだとしても、既に亡くなった歴史上の、それ程有名でもない人物を持ち上げてどうなるのか、という感じ。
著者のいう通り素晴らしい日記だ、と同調できる人には面白い本なのかもしれないが、私としては、特に薦める本ではなかった。