『保守主義とは何か 反フランス革命から現代日本まで』

宇野重規
中公新書
ISBN978-4-12-102378-0
保守主義について書かれた本。
保守主義についての著者なりのまとめ、といった簡潔なレポートで、著者の関心や問題意識が元にあるからやや偏ってはいるだろうが、簡便なまとめではある。そうしたものでよければ読んでみてもよい本か。
著者は保守主義者ではない、ということで、プロパガンダにはなっていないが、積極的に一つの価値を称揚するのでもない。多分その辺には偏りがあるだろう。
保守主義に理想を押し付けているようでもあるし、あるいは保守の本質を捉えてはいないかもしれない。
簡便なまとめではあるだろうから、それでよければ、というところか。
興味があるのなら、読んでみてもよい本だろう。

以下メモ。
保守主義は、行き過ぎた進歩を批判する、すぐれて近代的なものである。
保守主義者は公正や自由といった徳目に加え、権威や神聖といった徳目も平等に扱う。