『母の介護 102歳で看取るまで』

坪内ミキ子
新潮新書
ISBN978-4-10-610223-3
坪内ミキ子が実母を介護したこと等に関して書いたエッセイ。
母の介護に関して書かれた、といえば書かれたものだが、選択にあたっては、母の介護について書かれた本、と考えるよりは、坪内ミキ子のエッセイ、と捉えた方が良い本か。
父母の生い立ちや、自身の若い頃の話、長い間暮らしていた同潤会アパートについての話、が、(全8章の内の)3章を占めていて、テーマ的にはやや拡散的でとりとめがないし、別段、苦労譚や人情話があるのでもなく、介護の先達としての教訓がある訳でもないので、介護に関する本が読みたいと思って手に取ると、物足りない印象が残るような気はするが、脇道にそれている3章の方が面白い、と個人的には感じたし、エッセイとしては、それなりのエッセイだろうから、坪内ミキ子のエッセイ、が読みたいのであれば、読んでみても、という本だと思う。
後は、エッセイなので、合えば、というところ。
坪内ミキ子のエッセイが読みたいのであれば、読んでみても良い本だろう。