『通信隊戦記 最前線の指揮統帥の道を造る』

久保村正治
光人社NF文庫
ISBN978-4-7698-2527-2
通信部隊の下級将校だった人が書いた従軍記。
全体的には、別に普通の、ありそうな戦記だが、とりわけ前半部分に所属部隊の編成等の細かい記述が多くて、若干読み難いような気がした。
それ以外は、特に悪いこともない普通の戦記で、ただの歩兵ではなく通信将校、というところにそれなりのユニークさはあるだろうが、格別に面白い、という程でもないので、読み難いことを加味すれば、無理に薦める程ではない、という感じか。
後は、それでも読みたいのならば読んでみても、というところだろう。
以下メモ。
・日中間の戦闘では、食事時間中に暗黙の休戦があった。
慰安所の利用は、休日外出の時しか利用できない兵隊は昼、営門を自由に通れる将校は夜、という時間分けが不文律としてあった。
・徴発の受領証を、中国人に書いてもらって、偽造した。