『英雄なき島 硫黄島生き残り元海軍中尉の証言』

久山忍 著
光人社NF文庫
ISBN978-4-7698-2811-2
硫黄島で戦った海軍中尉からの聞き書き
基本的にほぼ従軍体験記で、硫黄島は生き残りが少ないので貴重ではある。興味があるならばお薦めできる本。
三者のライターがまとめているから読みやすいし、実際に体験してきた人の証言はやはり強い。
栗林中将も部下に威張り散らす「典型的な陸軍型の将校」とか。ただ、典型的な陸軍型将校が今の時代もう分からないよな。
経験そのものが貴重だし、よくできた従軍戦記だと思う。
興味があるならばお薦めしたい。

以下メモ。
・指揮系統がしっかりあるなら総攻撃は行われない。総攻撃とは、指揮を執れなくなったので勝手に死んでこいという命令である。
・将校は後ろで指揮を執るので、先頭に立って突撃したりはしない。
硫黄島で日本軍の組織的な戦闘が行われたのは最初の数日だけで、後は防空壕にこもってひたすら隠れていた。