『ウオッゼ島 籠城六百日 孤島で生き抜いた将兵たちの記録』

土屋太郎 著
光人社NF文庫
ISBN978-4-7698-2738-2
太平洋戦争中に前線の後方であるマーシャル諸島ウオッゼ島に取り残された人が書いた報告書。
戦記ではなく極めて淡々とした報告書で、副官という立場の人が籠城生活のことをあれこれと箇条書きにしただけという感じではあるが、そうしたものでよければ、という本か。
報告書だと躍動感がなく、戦記ほどの面白さはないと思う。
ただ、書いてあることは戦記とそんなに変わらないだろうし、それなりに面白い部分もあったので、読んでみてもいい本か。
個人が書いた戦記だと犯罪関係はぼかされることが多いが、副官という立場からまとめているせいかいろいろ書かれていて、その点で興味深かった。
報告書でよければ読んでみても、という本だろう。
なお、発行は潮書房光人社になっているが、帯には光人社NF文庫と書かれているので、そのままとした。