『楼蘭王国 ロプ・ノール湖畔の四千年』

赤松明彦 著
中公新書
ISBN4-12-101823-0
楼蘭に関していくつかのことが書かれた本。
一言でいえば、楼蘭紹介本、と考えれば、大体間違いのない本か。
これといったテーマもないし、すっきりとしたまとまりもないので、余り良い本だとは思わないが、紹介本で良ければそれなりの紹介本ではある、というところ。
史記』『漢書』の話やら、ヘディン、スタインの話しやら、考古学の話やら出てくるので、どうにも拡散的であるし、コーカソイドインド・ヨーロッパ語族が云々とかいうのも個人的には眉につばをつけないと受け取れなくなっているので、私は余り良い本だとは評価しないが、ただし、本書に掲げられている参考文献を見ても、楼蘭というのは名前が知られている割に類書は多くなさそうなので、こんなもので仕方がないと思えば、許容範囲内か。
他に良い紹介本があるのならただちに引っ込めるのにやぶさかではないが、読んでみる手はあるだろう、としておきたい。