天文読み物

『連星からみた宇宙 超新星からブラックホール重力波まで』
鳴沢真也 著
講談社ブルーバックス
ISBN978-4-06-521354-4
連星について書かれた天文読み物。
特別ではないがそれなりの天文読み物で、私は天文読み物が好きなので何年に一冊はこういう本を読んでいきたいなあという本ではある。そうしたもので良ければ、というもの。
大絶賛というほどでもないが、テーマも限られているので、興味があるならばいい本ではないだろうか。
そうしたもので良ければ、読んでみてもという本だろう。

以下メモ
・三つの星が近接するのは重力的に不安定になる。三連星以上の場合、二つの星と、その外側をもう一つの星が回る、というようなパターンになる。
同じ四連星だが、リゲルは、二つの星の外側を一つの星が回り、さらにその外側にもう一つの星。この一番外側の星が一番明るい主星。
レグルスは、二組の二連星が距離を置いて回りあっている。
・Ia型超新星は連星となっている白色矮星が爆発したものと考えられ、実際の光度には百倍程度の差があるが、光度によって減光パターンが違うので、補正すれば標準光源として使える。
・外側のガスがくっついてしまった連星や、一つの星の中に二つのコアがある星もある。
・低い温度の星は中心から外側へ対流によってエネルギーが運ばれる。電離したガスが対流すれば磁場が発生するが、フレアなどの表面活動は磁場によるため、太陽より小さな低い温度の星は表面活動が盛んだ。
連星になっている場合、公転周期と自転周期が等しくなったりするので、早い自転周期によってさらに磁場が強くなったりする。
プロキシマのハビタブルゾーンに地球より少し大きい程度の惑星が見つかったが、表面活動が盛んな赤色矮星のそばで生命が発生できるかは疑問である。