『がん治療の常識・非常識 患者にとっての最良の選択とは?』

田中秀一 著
講談社ブルーバックス
ISBN978-4-06-257597-3
ガン治療の現状が批判的にまとめられた概説。
一応それなりのまとめなので、そうしたもので良ければ、読んでみても、という本か。
抗ガン剤も駄目、手術も駄目、ということで、近藤誠に近い感じはあるのか。余命半年とか一年とか宣告されたガン患者にとって、数ヶ月の延命効果がある抗ガン剤は、著者が嘆くよりはバラ色のものだと私は思うが。
まとめとしては、それなりに手堅くまとまっていて、悪くない本だと思う。
興味があれば、読んでみても良い本だろう。
以下メモ。
・小児ガンには抗ガン剤が効きやすいが、ガン細胞の増殖を抑える働きをする抗ガン剤にとって増殖の速い小児ガンは比較的有利であることが、その理由として考えられる。
・エックス線ではなく粒子線が特に必要なガンは、骨肉腫など、必ずしも多くない。
放射線治療は、合併症を防ぐ等の利点があるとはいえ、ガンそのものを治す力として、手術以上のパワーがある訳ではない。