『「普天間」交渉秘録』

守屋武昌
新潮文庫
ISBN978-4-10-136661-6
元防衛事務次官の回想録。
普天間基地の移設問題が一応の中心ではあるが、本としては、普天間の話というより事務次官の回想録であり、それよりも自己弁護の本だと考えておいた方がいい。そうしたものでよければ、という本か。
回想録が自己弁護になるのは多少はしょうがないが、それにしても、という感じはする。俺に反対するやつは馬鹿か騙されているか何か企んでいる、という陰謀論的発想がすごい。
政治のドロドロとした部分は伝わってくるが、都合の悪い情報は隠してあるだろうし、多分反対派の意見も聞いてみなければ始まらないだろうという本。
基地問題に興味があってあれこれ調べている人なら、読んでみてもというところか。これ一冊だけで、というのはちょっと怖い。
一方の側の当事者の記録ではあるのだろうから、それでよければ、という本だろう。