『満州国皇帝の秘録 ラストエンペラーと「厳秘会見録」の謎』

中田整一 著
文春文庫
ISBN978-4-16-783832-4
一つの史料を紹介したノンフィクション読み物。
史書というよりはノンフィクション読み物で、満州国に思い入れがあって、新史料ではこうなっているんだ、と発見して驚ける人には、面白いのかもしれない。そういう人ならば、という本。
〜だった、と断定的に書かれている場合に、それに根拠があるのか「厳秘会見録」にそう書かれているだけなのかよく分からないところがあったりして、歴史書としては微妙だと思う。
ノンフィクションとしてはそれなりのノンフィクションだが、特に、といえるほどのものがあるかどうかは疑わしい。
それでもよければ、という本だろう。

以下メモ。
・溥儀や清の遺臣は清朝復活のために関東軍を利用し、関東軍も中央からの指図を受けない地としての満州国のために溥儀を利用した。
・溥儀は天皇と直接結びつくことによって関東軍からの自立を図ろうとした。