『血盟団事件』

中島岳志
文春文庫
ISBN978-4-16-790620-7
血盟団事件について、テロに至る発想の萌芽から事件の顛末までを追ったノンフィクション。
ノンフィクションとしてはまあこんなものだろうとは思うものの、事件の関係者が自分たちの記録を残したとして、このくらいのものができるのではないか、というような本ではあり、当事者が書いたのなら、自己弁護が入ってくるのは当然だからこれで比較的冷静だと評価できただろうが、第三者が書いたものとしては、あまりに無批判にすぎる本か。
それは結構危険だろうから、薦めるには微妙。
当事者が知らなかった、気づかなかった、あるいは故意に見落としたような事柄もあるだろうし。
それでもよければ、という本だろう。