『命の値段が高すぎる! 医療の貧困』

永田宏 著
ちくま新書
ISBN978-4-480-06498-1
小泉政権以降進められている医療制度改革について書かれた本。
その方向性をざっくりと分かりやすく俯瞰したもので、全体の執筆態度は、批判というよりは冷笑に近い。
分かりやすく、面白く書かれているので、そうしたもので良ければ、読んでみても良い本だと思う。
ただし、分かりやすいということは、分かりやすく捨象するために捨てられている部分も多いのだろうから、現実をどこまできっちり捉えているかには、一定の不安はある。
全体的には、割と昔ながらの古いビジネス書、といった感じのスタイル。私はこういったのが好きだ。
興味があれば、読んでみても良い本だろう。

以下メモ。
・メタボ健診は、違反者が多い場合の高齢者医療への支援金支払いが増えるペナルティとセットになっており、メタボ基準が厳しいのは、それをクリアさせないためだろう。
混合診療は、実質的には認められつつある。