若い内は、(自分に残された)時間が無限にあると考えているかのように振る舞うものだが、歳を取るにつれ、時間の有限さが分かってくるようになるものだろう。
例えば、社長交代の時期が迫っている会社に、現在56歳になる副社長がいるとする。その会社では社長は2期6年が通常のパターンだとすると、次の次の時は、この副社長は62歳になっておりほぼノーチャンスだろうから、次の交代にすべてを賭けなければならない。と、このように考慮が巡らされた結果、出世競争が激化していくのではないだろうか。
しかしそれならば、いつでも交代の可能性があり実際にも2年程で首相が変わることの多い日本の政界に比べて、1期4年は政権が続くアメリカ政界の方が、権力闘争が激しい、ということになっても良さそうだが、そういう話は余り聞かない。
(日本と同じく首相が政府のトップになるドイツ(西ドイツ)は、長期政権になっているような印象があるが、実際のところはどうなのだろう。ワイマール憲法時代に短命政権が続いて政情が不安定化した反省から、5%条項とかの、長期政権が生まれやすい仕組みになっているとは思うが。イギリスでもサッチャー→メジャー→ブレアと長期政権が続いている感じはある)