『医学的根拠とは何か』

津田敏秀 著
岩波新書
ISBN978-4-00-431458-5
日本の医学研究は世界の趨勢から二十年遅れてる、という本。
内容を簡単にいえば、EBMにおけるエビデンスとは実際に人間を対象にして有効かどうかを検定した疫学データでなければならないのに、日本では、医師の経験や患者個々の事情を重視する考えや、病気のメカニズムや細胞における機序を重視する考えが主流で、疫学研究が盛んでなく医師も統計データを読み取る訓練を受けていない、ということが書かれている。
私はこの手の本は大好物なので面白く読めたし、お薦めしたい。
現状が本書のいうように酷いかどうかは知らないが、そういう面はあるのだろうし、読んでおいていい本だと思う。
お薦めできる本だろう。

以下メモ。
・当時の先端医学であったドイツ医学を基準に形成された医局講座制の下、大学の定員が拡大しない現状では、新しい医学のムーブメントを受け入れることは難しい。