『海の向こうから見た倭国』

高田貫太 著
講談社現代新書
ISBN978-4-06-288414-3
古墳時代における日本列島と朝鮮半島の関係を古墳の出土品などから探った本。
それなりにまとまっているし、面白かったので、そうしたものでよければ読んでみても、という本か。
後は、特にどうということはなく、普通の歴史書
そうしたものでよければ読んでみても、という本だろう。

以下メモ。
百済新羅加耶金官加耶、大加耶)などの朝鮮半島南部の国家や地域は、高句麗やそれぞれの国に対抗するため、倭との通交を求めた。
・『日本書紀』ではヤマト朝廷との仲が険悪に描かれている新羅も、古墳の出土品を見る限り倭と積極的に通交していた。
・六世紀前半に高句麗に対抗するための新羅百済、大加耶の協調体制が崩れ、加耶新羅百済の草刈場となる。
倭は、この中で主体的な外交関係の把握に努め、吉備における大古墳造営の停止や『日本書紀』に記載のある雄略期の吉備の反乱、また「磐井の乱」もその過程で起こった。
・栄山江流域では六世紀前半前後の短い期間、前方後円墳が築かれたが、同じ地域の他の古墳との間にそれ以外の顕著な断絶はなく、百済が進出してくる中で対抗上倭とのつながりを示したのだろう。