『信じていいのか銀行員 マネー運用本当の常識』

山崎元
講談社現代新書
ISBN978-4-06-288346-7
マネー運用に関して書かれた本。
一応は銀行員をあまり信用するなと書かれた本だが、それよりもマネー運用全般についてのものと考えたほうがいいと思う。
エッセイ的な読み物なので、そうしたものでよければ、という本か。
お金に色はついてないからその人のタイプや年齢などによって適合する運用方法が変わることはないと著者は書いているが、高齢者がインカムゲイン中心の運用を行うことは60年代のアメリカでは例外的とはいえ成り立っていた、というのなら、それを原則とすることはできないのでは、とか、個人向け国債をやや推しすぎでは、とかいう気もするが、シティバンクの募集債の金利がすごく高くて魅力的だとリーマンショックの何ヶ月か前に思った私の感想なので、駄目なのかもしれない。
一冊の本として特にすぐれているとか何らかのテーマがあるとかいうことはないが、一冊読んだだけでマネー運用に乗り出す人もあまりいないだろうから、これはこれで、というものか。
そうしたものでよければ、という本だろう。