『こんなに変わった歴史教科書』

山本博文ほか 著
新潮文庫
ISBN978-4-10-116446-5
今の中学校の歴史教科書が昔のよりどれだけ変わったか、ということをネタに書かれた雑学本。
大体のところコンビニ文庫的な雑学本で、最新の知見を紹介したもの、というのではなく、雑学本として考えた方がいいと思う。コンビニ文庫的なものでよければ、という本か。
個人的には、やや物足りなかった。
三内丸山遺跡が云々と書かれても、それは確かに昔の教科書には載っていなかっただろうが、知っている以上の内容はなかったし、伝源頼朝像がどういう批判が出てきて伝になったのか、というような話は多くはない。
変わったね、というだけで、その先の学説史的な部分に踏み込む気はないように見えた。面白いのはそういう部分だと思うのに。分量的にも多分無理なのだろうが、雑学本以上のものはない。
中学を出てから歴史の知識なんて一遍も更新していない、というような人にはいいのかもしれないから、そういうものでよければ、というところか。
雑学本でよければ読んでみても、というところだろう。