『人はなぜだまされるのか 進化心理学が解き明かす「心」の不思議』

石川幹人 著
講談社ブルーバックス
ISBN978-4-06-257732-8
進化心理学に関する読み物。
内容は、人間が進化において取得した(かつては進化上有利だった)心理的傾向について、それに反するものには巧く適応できずだまされやすい、ということが書かれたもので、特にどうということはない読み物か。
読み物として、そうしたもので良ければ、という本。
個人的には、読み捨てコンビニ文庫ならこんなものとして、ブルーバックスとしてはちょっと物足りない感じだった。
読み物で良ければ、というところ。
そうしたもので良ければ、という本だろう。

以下メモ。
・瞬間記憶能力は人間よりチンパンジーの方が高く、人間は、その代わりに規則を抽出できる能力を進化させたのだろう。
・怒りは、社会的に上位の個体が発することで、闘争を防ぎ社会を安定化させる感情である。
 怒りにとらわれた人は自分の不利益を省みないが、その分大きな攻撃が予想されるので、違反抑制効果は高い。