『肝臓病 治る時代の基礎知識』

渡辺純夫 著
岩波新書
ISBN978-4-00-431321-2
肝臓の病気について書かれた本。
新書レベルの家庭向け医学の本としては、標準的なものだと思う。そうしたものでよければ、という本。
特に難しいところもなく、割と読みやすいのではないだろうか。
興味があるのなら読んでみても、という本だろう。

以下メモ。
・肝臓の病気だった場合、医者に次の三つのことを確認すべき。
一、原因。
ウイルス性なのか、アルコール性なのか、脂肪肝なのか、薬剤性、あるいはその他の原因なのか。
原因を取り除き、やめることによって治療できる。
現在では、インターフェロンなどの抗ウイルス剤によって、慢性肝炎に移行しやすいC型肝炎でも治るようになってきている。
二、病状の程度。
ほうっておけば、慢性肝炎から肝硬変、肝がんへと進んでいく。
B型肝炎ウイルスのA型は、もともと日本にはなかったが、外国から性感染でうつることがあり、慢性肝炎になる可能性が大きい。
肝硬変になると、門脈から肝臓に流れて栄養を届けている血液が肝臓に入っていかなくなり、胃や食道の静脈に迂回して静脈瘤ができる。大酒のみが最後に血を吐いて亡くなったりするのはそのためである。
三、治療方針。
肝予備能が十分あれば肝臓は再生する。肝臓障害が進んで予備能力が少なくなっている場合、思い切った治療はできない。