『ポアンカレ予想 世紀の謎を掛けた数学者、解き明かした数学者』

ジョージ・G・スピーロ 著/永瀬輝男・志摩亜希子 監修/鍛原多惠子・坂井星之・塩原通緒・松井信彦 訳
ハヤカワ文庫NF
ISBN978-4-15-050373-4
ポアンカレ予想の提出とその証明を巡る数学者たちの様々なエピソードが描かれた本。
ポアンカレ予想そのものというよりはそれを巡るエピソードが中心の本で、数学の本というよりは数学史の本、とたとえれば近いだろうか。
そうしたものなので、それでもよければ、という本。
ポアンカレ予想とその証明方法については、私にはあまり理解するところはなかった。
あくまでもエピソードを期待して読む本だと思う。
ただし、エピソードを楽しむだけにしては少し難しすぎという本ではあるか。一般向けにポアンカレ予想を説明することは難しいだろうから限界はあるのだろうとしても。
本書は、説明するでもなし、まったく解説を諦めるでもなし、という微妙なところに落ち込んでいるように私には思えた。
後は、特によくもないが、悪くもなく。そうしたものでよければ、というところか。
ポアンカレ予想を巡る数学者のエピソードが書かれたものでよければ、という本だろう。