『ルポ 餓死現場で生きる』

石井光太
ちくま新書
ISBN978-4-480-06603-9
世界の貧困地域で生きる子どもたちを襲う問題について描いた読み物。
貧困問題全体というよりは、子どもに焦点を当てたもの。
あまりイデオロギッシュではないので、楽しく、読めてはいけない本だが、興味深く読むことができた。興味があるなら、読んでみても良い本だと思う。
長年取材した見聞を元に書いた読み物で、ルポというよりはエッセイに近く、自身の見聞に基づくという危うさもないわけではない。
後は、そうしたもので良ければ、というところ。
興味があるならば、読んでみても良い本だろう。

以下メモ。
・貧困地域にある家庭に少し余裕ができても、その余裕は周囲の貧困家庭を救う助け合いで消えてしまうことがある。
・娘を売りに出す場合でも、表向きは飲食店で働く、などとしているケースがほとんど。
・児童労働では大人がやりたがらないような危険な仕事に就かせることも多い。
・子どもの兵を使う軍であっても、調理、運搬、介護のような仕事は子どもには回ってこない。