『量子もつれとは何か 「不確定性原理」と複数の量子を扱う量子力学』

古澤明 著
講談社ブルーバックス
ISBN978-4-06-257715-1
著者が行っている量子光学実験に関して書かれた本。
基本的に、量子力学について一通り知っている人を対象に、著者らが行っている実験、研究の基礎を紹介したもの、と考えるのが正しいと思う。量子エンタングルメントについての解説とかを期待すると間違う。
著者はこういう研究を行っています、というだけの話なので、それで面白いと思える人向き。
今の時代、買ってまで読むほどのものかな、という気はした。
それでも良ければ、というところだろう。

メモ1点。
不確定性原理によって、エネルギーと時間を同時に決定することはできない。光のエネルギーを決定すると、時間はまったく定まらなくなるが、波において時間が定まらなくなるとは位相が定まらなくなることであり、要するに、光が波でなくなって一定の値付近にのみ存在確率のある状態になる。これが光子である。