『実録・警視庁公安警部 外事スパイハンターの30年』

泉修三 著
新潮文庫
ISBN978-4-10-133791-3
退職した警察官が自らの半生をつづった本。
基本的には職業もののノンフィクションで、公安警察というそれなりに興味を引く経験をしてきているのだから、それなりには面白い。興味があれば、読んでみても良い本か。
公安だのスパイだのという話は、ないわけではないが、個人的にはあまり期待しない方が良いと思った。東京がスパイ天国だなんていう話はいまさらだし。スパイに関しては、こういうスパイがいて尾行しました、というのがほとんど。本書全体がそんな感じではあるが。
もちろん自己擁護臭はある。が、公安弁護臭はあまりない。そのくらい、公安云々という本では元々ないのだろう。
あくまで、警察官としての半生をつづったもの。
それで良ければ読んでみても、という本だろう。

メモ一点。
・置き引きをするときにかばんを肩にかけたりすると後ろから見えるために被害者に見つかりかねない。だから置き引き犯はかばんを前に抱えて持つ。駅などを警備するときには、かばんを前に抱えている人を警戒する。