『追悼 「広告」の時代』

佐野山寛太 著
洋泉社・新書y
ISBN978-4-86248-544-1
著者によるエッセイ。
前半は広告論的なまとめだが、後半は著者なりの提言(地産地消生活のススメ、みたいな)になるので、そういうのが好きな人向けの本で、結局のところ、著者のエッセイと考えておくのが良いと思う。
著者のファン向けの本。こういうのが好きならば、というか、好きな人だけ勝手に読んでいてください。
人口爆発地球温暖化リーマンショック、という通俗的な80年代ニューアカ的広告論だが、最近こういうのはあるのだろうか。80年代にはケータイもインターネットもなかったわけで、80年代ニューアカ的な広告論を現代において書いてみたらこういうのになりました、という感じの本ではあるから、その点では、意味があるのかもしれない。
バブル崩壊ソ連崩壊も著者の論にはあまり影響を与えていないみたいで、だからこそ80年代のニューアカ的なものがそのまま出てくるのだが、その点は、個人的には興味深かった。

以下メモ。
・広告が人々に与えた夢は、消費文化の始まった19世紀には王侯ブルジョアの生活であり、高度成長期の日本においてはアメリカ型の生活という、実際に存在するものだった。