『マインドマップ デザイン思考の仕事術』

木全賢/松岡克政 著
PHP新書
ISBN978-4-569-77111-3
マインドマップやデザイン思考について書かれた本。
個々の部分では興味深いことも書かれているが、全体的に、ごちゃごちゃとしていて分かりにくいと思った。『誰に』対して『何を』伝えるのか、が巧く整理されていないと思う。
マインドマップを書いたことのある人/ない人/工業デザイナー/一般の人、マインドマップの書き方/きれいなマインドマップの書き方/デザイン思考、etc.
テーマが拡散的で、これらの事柄が漫然となっており、指向性が捉えにくい。
結局のところ、最大公約数を取ると、マインドマップを書いたことのある工業デザイナーで、デザイン思考やきれいなマインドマップの書き方に関心のある人、が対象ということになるのだろうか。
あまり広く一般の人に薦められる本ではないと思う。
マインドマップやデザイン思考を知ったり使ったりしたところで、何かが劇的に変わるということはないだろうし(そもそもそんなものは存在しない)、マインドマップのかき方だけでは一冊の本にするほどの内容にはならないだろうから、両方にそこそこ足を浸すことができるという点では、使い道はあるかもしれない。
そういうもので良ければ、あるいはそれでも良ければ、という本。
広く薦める本ではないだろう。

以下メモ。
・デザイナーの仕事で重要なのは、たくさんの試作品を作ること。
・デザインに正解はないが最適解はある。最適解とは、決められた期限、限られた資源で達成できるものだからである。
マインドマップをかくときには、事実→思い→反省、とか、ゴール→現状→課題、とか、目的→関係者→状況→自分→方針、とかの順でかくのが良い。
・方針を決める場合、方向性と具体的な行動とをかく。