『がん検診は誤解だらけ 何を選んでどう受ける』

斎藤博
NHK出版生活人新書
ISBN978-4-14-088306-8
ガン検診に対しての啓蒙書。
ガン検診を行い、受けることについてのメリットやその判断の仕方などが書かれたもので、分かりやすく順を追って書かれているので、啓蒙書としてまずまず良い本だと思う。興味があるならば、読んでみても良い本。
推奨されるガン検診は何故推奨されるのか、という判断理由は殆ど書かれていないし、取り立てて積極的ではないもののもちろんガン検診推進派の書いた本なので、世界では三つのガン検診しか行われてないのに何故日本では五つのガン検診が推奨されているのか、という問題がスルーされている、といったこともあるが、こんなものだろう。
啓蒙書として良くできていると思う。
興味があるならば、お薦めしたい。
以下メモ。
・ガン検診は、健康な人に対して行うものなので、ガンがないのに陽性と出てしまう偽陽性の少ないことが求められる。極端な話、全員陽性にしてしまえばすべてのガンが検出できたことになるのだから、ガンを見つけられる検診が必ずしも良い検診だとは限らない。
・ガン検診の有効性を計るには、死亡率を低下させられるか、という点で見る。
・検診によって見つかるガンは、症状が出てから病院で見つけられるガンに比べ、早期で進行の遅いものが多いので、生存率を比べると長くなる。