『増補 ノーベル賞経済学者の大罪』

ディアドラ・N・マクロスキー 著/赤羽隆夫 訳
ちくま学芸文庫
ISBN978-4-480-09250-2
経済学を批判した本。
現役の経済学者が書いた本だから具体的で細かくはあるが、大枠では、現実を見ていないという経済学に対するありがちな批判と同工異曲だろう。
これで分かりやすければ一つの批判本だとは思うが、あまり分かりやすくない、というのが微妙なところか。素人向けに反経済学を煽ったものではなく、ある程度学んだかこれから学ぼうという人向けに書かれているのだろうから、多少は許容すべきかもしれないが。
社会工学に関しては、現実に適応できるレベルではない、と批判したいのか、社会に手を出そうとすることがそもそも間違いだと批判したいのか、私にはよく分からなかった。
後は、そうしたもので良ければ、というところ。分かりやすくはないので、特に薦める程ではないと思う。
それでも良ければ、読んでみても、という本だろう。