『10秒の壁 「人類最速」をめぐる百年の物語』

小川勝 著
集英社新書
ISBN978-4-720447-6
陸上男子100mの記録更新の歴史が書かれたスポーツ読み物。
全体として、普通のスポーツ読み物で、悪くはないが、特にという程のものでもなく。読み捨てるくらいのもので良ければ、という本か。
世界記録が今年五月に更新されている話が全く出てこないのは、この手の本の宿命とはいえ、北京五輪前の予習に読むには微妙な気もするが、記録を更新したウサイン・ボルトのことが高身長の選手として名前だけ挙げられているのは、さすがと評価すべきなのかもしれない。
後はどうということもないスポーツ読み物。
そうしたもので良ければ、という本だろう。
メモ1点。
・トラックやスパイク、走る技術といった面での今後の格段の進歩は難しいだろうから、記録が人間の身体能力によって伸びるとすれば、ストライドの長い高身長の選手が有利、ということになるだろう。