ポパー以降、反証可能性を以って、

科学と似非科学とを分ける分水嶺とする議論が広く行われているが、理論的にはともかく、現実の科学界内部において、反証可能性が、自分や仲間内の科学者が提出する科学理論を批判する際に検討されることは、ほぼ全くないのではなかろうか。
そうであるならば、科学の外部に対してのみそれを求めるのは、ダブルスタンダードではないのだろうか。
南アメリカ大陸東岸とアフリカ大陸西岸の形は合いそうだから元は一つの大陸だったに違いない、という説や、白米をやめてパンにすれば脚気は防げる、という説や、出産前に医師が石灰の上澄み液で手を洗うおまじないをすれば産褥熱の死亡率が減らせる、という説等の似非科学に対しては、どのように対応すべきなのだろう。